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子どもの英語教育はどうすればいい?英語教育改革と早期英語教育を解説

更新日:2022.03.10

公開日:2022.03.10

子どもの英語教育はどうすればいい?英語教育改革と早期英語教育を解説

少子高齢化による国内の市場規模縮小に伴い、日本ではグローバル化がさらに進む未来が予想されています。そのような未来の一員を担う日本の子どもたちにとって、外国語学習の重要性は高まるばかりです。この記事では、子どもの英語教育に悩みや不安を抱える親御さんに向けて、英語教育に力を入れるべき理由や日本の英語教育の課題、2020年からスタートしている英語教育改革の要点、早期英語教育の重要性について解説します。

1.英語教育に力を入れるべき理由

子どもの英語教育に力を入れるべき理由として、日本国内における市場規模の縮小が挙げられます。「英語教育と市場規模に何の関係があるのか」と疑問に感じる人もいるかもしれません。現在、日本では少子高齢化が進んでおり、今後の人口減少が予測されています。そうなれば、国内における商品やサービスの売り上げは減少するでしょう。つまり、売り上げが減った分を補填するために、これから海外に進出する企業が増えてくる可能性が高いということです。同時に、その企業で働く人たちには、英語のスキルが当然のように求められることになるでしょう。実際に、最近ではアジアを中心とした新興国に進出する企業が増えています。このような流れから、近い将来の日本企業ではグローバルな働き方が求められることが予想され、語学力、特に世界の共通言語である英語力が必要になるのです。

少子高齢化によるもうひとつの影響が、外国人労働者の増加です。日本人の働き手が少なくなれば、外国人労働者に頼らざるを得なくなります。外国人労働者が増えれば、英語でコミュニケーションを取る場面が増えるため、日本人にはこれまで以上に英語を話せるスキルが求められことになるでしょう。

英語をマスターしておくと、情報収集の質や量に大きな差が出ます。現在、Webを中心として、世界には膨大な量の情報が溢れています。Web上の情報は全体の25.3%が英語で占められており、情報化社会において英語で書かれた情報を素早く得られるのは大きなメリットです。ちなみに、日本語の割合はわずか3%しかありません。

このように、今後の日本社会では英語の必要性がますます高くなることが予想され、英語力が高いか低いかによって子どもの未来が大きく変わってしまう可能性があるのです。

1.英語教育に力を入れるべき理由<

2.日本の英語教育が解決すべき課題

世界最大の英語能力指数ランキングであるEF EPIによると、2020年における日本人の英語力は世界で55位という結果でした。学校教育で多くの学習時間を費やしている割には、世界的に見て決して高くありません。一体、何が問題なのでしょうか。ここからは、日本の英語教育が抱える課題について説明します。

2-1.単語・文法中心の英語教育

英文解釈や英作文は、重要なスキルであることに間違いはありません。しかし、問題なのは、日本の英語教育がそのための単語や文法の勉強に偏ってしまっている点でしょう。もちろん、英語をマスターする上で、単語や文法の学習は必要不可欠です。単語を知らなければ英語を読解することはできませんし、文法を理解できていなければ伝えたいことを文章として作成することができないからです。しかし、その学習ばかりに多くの時間が割かれてしまい、代わりにリスニングやスピーキングの時間が少なすぎるため、英語をコミュニケーションツールとして活用できていないのが現状です。さらに、肝心のリーディングやライティングも学習量が足りておらず、すらすらと読み書きできるレベルにすら達していません。

英語学習は、「読むこと」「聞くこと」「話すこと(やり取り・発表)」「書くこと」の4技能5領域をバランスよく行うことが必要です。そうすることで、トータルの英語力を高めることができるのです。

2-1.単語・文法中心の英語教育

2-2.受験目的の英語教育

英語を聞いたり話したりすることが二の次になり、読み書き中心の英語教育になってしまう理由のひとつが、英語の受験対策です。入試問題においては、正解・不正解が明確な単語や文法問題が多くなりがちです。反対にスピーキングについては、正解か不正解かを判断しづらい分野かもしれません。ちなみに、文部科学省が2014年度に行った「英語教育実施状況調査 生徒の英語力の状況」によると、中学2年生に「なぜ英語の勉強が必要か」という質問をしたところ、52.3%の生徒が「受験で必要だから」と答えています。

英語に対して正解・不正解をはっきり決める受験制度は、スピーキングに悪影響を及ぼしています。子どもたちは正解を重視するあまり、スピーキングなどのアウトプットを行う際に「間違えてはいけない」と萎縮し、苦手意識を持ちやすくなるのです。

現在リスニングやライティングの割合は増えつつあります。とはいえ、受験対策にはコミュニケーションの練習は基本的に不要のため、スピーキングが不足するなど学習に偏りができてしまいます。実際に、英語に興味関心があるというよりも、「受験で必要だから」という理由で仕方なく勉強している子どもたちが多いのが現状です。しかし、そのようなモチベーションで学習を進めても、上達はままならないでしょう。

2-2.受験目的の英語教育

2-3.実践力が養われない英語教育

生徒がリスニングやスピーキングに弱い理由として、「学校教育現場における教員側の英語力が不十分である」という指摘があります。2016年度に行われた文部科学省による調査(平成28年度 英語教育実施状況調査(中学校)の結果)によると、中学校の英語教員のうち、英検®準1級相当以上を持つ人は全体の32%しかいないことが判明しました。さらに、海外経験・留学経験がある英語教員も、全体の半数程度にとどまっています。

外国語指導助手(ALT)の存在がありながら、授業で有効に活用できていないことも、実践力が養われない要因です。本来、ネイティブであるALTには、生きた英語で生徒と直接コミュニケーションをとれるというメリットがあります。しかし、授業時間が限られているだけでなく、1クラスに3~40人程度という集団での授業形式であるため、生徒全員に対しコミュニケーションを多く取り入れられないのが現実です。そのため、ALTの英語を「聞くだけ」で終わってしまい、肝心の実践力が養われないまま進んでしまうという現状があります。

2-3.実践力が養われない英語教育

3.英語教育改革の要点

文部科学省は、英語教育改革による課題解決を図っています。学習指導要領の改訂により、2020年から段階的に学校の英語教育が変わっていくのです。ここからは、小中高の英語教育改革の要点について解説します。

3-1.小学校の英語教育

これまで、英語教育は小学校5年生からでした。しかし、2020年からは小学校3・4年生で「外国語活動」として英語教育がスタートしました。年間で35時間が設定され、「聞く」「話す(やり取り・発表)」の2技能3領域を学ぶことで、英語を使ったコミュニケーションに触れます。

小学校5・6年生では、正式教科の「外国語」として、年間70時間の授業が行われます。新たに「読む」「書く」が追加され、4技能5領域の学習に発展。3年生からの外国語活動によって慣れ親しんだ経験を活かして、さらに実践的な学習へと進みます。ここでのポイントは、英語が学校の成績として評価されるということです。また、この流れから、中学受験で英語を採用する学校も増えてくることが予想されます。

小学校においては、トータル600~700語の習得を目指し、基本的な文法や連語、慣用表現も学習します。

3-1.小学校の英語教育

3-2.中学校の英語教育

2021年からは、中学校の英語授業については基本的にすべて英語で行われています。つまり、聞くのも話すのも「オールイングリッシュ」で授業が進められるということです。授業では言語活動が重視され、対話によるコミュニケーションが多く取り入れられます。たとえば、生徒どうしで趣味や関心ごとについて会話したり、社会的な話題について考えを交換したりするなどして、英語でのコミュニケーション活動を増やす取り組みです。このように、英語を使って自分の気持ちや考えを伝えあう対話的な活動を行うことで、従来の読み書き中心だった授業から一変させ、「聞くこと」「話すこと」についても同時に強化を目指します。

授業は年間で140時間が割り当てられ、1週間あたりに換算すると約4時間です。以前は高校で学ぶ内容だった現在完了形や仮定法、原形不定詞などの文法も学習します。習得する目標単語数は1600~1800語と、従来の1200語から大幅に増加しています。

3-2.中学校の英語教育

3-3.高校の英語教育

高校における英語教育改革は、2022年から実施されます。「読む」「聞く」「話す(やり取り・発表)」「書く」の4技能5領域を総合的に扱う「英語コミュニケーション1・2・3」のほか、ディベートやディスカッションを通して英語での発信力を高める「論理・表現1・2・3」が新たにカリキュラムに組み込まれます。高校での英語学習においては、定期テストや入試でよい得点を獲得すること以上に、中学校までに学んできた英語を用い、より実践的な英語スキルを養うことが重視されているのが特徴です。

なお、高校では前回の学習指導要領改訂からオールイングリッシュで英語の授業が行われています。授業は年間140時間で、1週間あたり4時間です。なお、高校で習得する単語数は1800~2500語程度で、小学校から高校までで学習する総単語数を合計すると、4000~5000語にのぼります。これは、従来の3000語から約1.5倍の増加です。

3-3.高校の英語教育

4.早期英語教育の重要性

ここまで見てきたように、学校の英語教育のボリュームが大幅に増加するため、子どもがスムーズに学習を進めるためには何らかの対策が必要です。語学学習は早いうちから慣れ親しむことが大切で、事前に準備しておくことで、子どもはスムーズに英語を吸収できるでしょう。ここでは、早期英語教育の重要性について解説します。

4-1.学校の英語学習がスムーズになる

先述したとおり、学習指導要領の改訂により、小学校3年生(8~9歳)から学校での英語教育がスタートします。その準備として早期に英語教育を行っておけば、スムーズに学校の英語教育を吸収できるでしょう。さらに、小さいうちから遊びながら英語に触れさせることで、「英語は勉強である」という意識が少なくなり、抵抗感を持ちにくいのもメリットです。英会話に早く慣れていると、中学校や高校でのオールイングリッシュ授業にも有利に働きます。英語で進められる授業内容をしっかりと聞き取れることが、成績アップにもつながるのです。

子どもの脳には「臨界期」というものがあるのをご存知でしょうか。これは、ものごとを覚えたり感じたりするための神経回路が活発に作られる時期のことで、この期間に多くの英語に触れておくと、子どもは体の成長と同じようなスピード感で英語のスキルを伸ばしていくと言われています。ちなみに、語学の臨界期はだいたい9歳くらいまでとされているので、学校の英語教育が始まる小学校3年生よりも前に英語学習を始めるのは理にかなっているということです。

4-1.学校の英語学習がスムーズになる

4-2.音声学習の効果が高い

英語を正確に聞き取るためには、英語特有の発音やリズムなどが聞き分けられる「英語耳」が必要です。この英語耳は、早期英語教育でこそ身につきやすい能力のひとつと言えるでしょう。その理由に、英語と日本語における周波数の違いがあります。英語の周波数が2000~1万2000ヘルツなのに対し、日本語は100~1500ヘルツと、まったく重なる部分がないのです。子どもが言語を覚える際、耳は日常生活において周囲で使われている周波数に慣れていきます。つまり、日本語の周波数に慣れてしまった段階で聞く英語の周波数は、大きな「違和感」になるということです。子どもは英語の音やリズムに慣れるのも早く、日本語の周波数帯域に慣れきってしまう前から本物の英語の音を聞くことで、子どもの英語耳は養われていきます。

早期英語教育により、ネイティブに近い発音を習得できるのもメリットです。その理由が、「フォニックス」を使った学習です。フォニックスとは、もともと英語圏の子どもに読み書きを教えるために開発された学習方法で、英語のスペルと発音の間に存在する法則を学ぶことで、英語の発音を正しくマスターすることができます。英語の発音が良くなれば、英語の授業におけるコミュニケーション活動にも自信が持てるようになるでしょう。

4-2.音声学習の効果が高い

4-3.英語が高いレベルで習得できる可能性が高い

日本人が英語を習得するためには、3000時間程度が必要であるとされています。しかし、日本の学校教育においては、小中高を合計しても英語の授業は1000時間にも満たないのが現状です。つまり、英語をしっかりマスターしたいと考えれば、残りの2000時間をどこかのタイミングで確保しなければならないということです。早期英語教育を始めれば、学校教育では足りない英語の学習時間を増やすことができます。

英語学習においては、確かに時間という量も大切ですが、もっと大事なのが質(効率)です。早期英語教育によってリスニング能力を高めておくことで、音声教材の吸収力が高まり、学習効率が上がります。さらに、英語力が上がるほどリーディングの速度も上がり、より多くの英文に触れることが可能になります。同じ3000時間でも、早期英語教育の有無によって大きな違いが出るでしょう。早期英語教育をはじめることで、全体的な英語学習効率が上がり、より高いレベルの英語習得に近づくのです。

英語教育は早期から長期的に取り組むことが重要!

日本の英語教育の課題を解決すべく、学校の授業はコミュニケーション重視の実践的な教育へと向かっています。しかし、英語習得には膨大な時間が必要で、長期的な取り組みが欠かせません。早期英語教育は学習時間を増やし、効率を上げるのに効果的です。WinBeでは4技能(聞く・話す・読む・書く)をネイティブと日本人講師がサポート。発音習得に効果的なフォニックスも取り入れているので、無料体験を受けてみてはいかがでしょうか。

4-3.英語が高いレベルで習得できる可能性が高い

執筆者:子ども英語・英会話教室WinBe コラム編集部